なんて言えば良いんだろうか




「私の話はこれで終わりです。」


新川さんは優しい笑顔で話を終えた。



「さて、君から何かご意見は?」


さらに笑みを深くして新川さんは聞いてきた。

全く、機関の奴ってのは笑顔で迫る訓練を必須科目にでもしてるのかよ?


っつーか意見って言われてもなあ…。




「あのー。」
「はい。」


「冗談ではないんですよね。」
「ふむ。」




新川さんは少し考えるような顔をする。

うーん、渋いな。



別の事を考えていると、新川さんはまた口を開いた。



「君から見ればそれが自然な意見でしょう。
私もそう思います。」



ですよねー。



「ですが残念な事に…。」



………。



「自らの属する機関や、
私にとっても怖い存在の涼宮様の目を盗んでまで冗談を言うほど
冗談が好きな質ではないんですよ。」



「…でしょうね。」


俺は諦めたように新川さんの入れてくれたコーヒーを啜った。



あ…美味い。



壮年の渋い男性って正にこんな感じだよな。

妙齢の女性が側にいればそれこそ絵に描いた感じなのに…。



そう思ってたから俺は…。




「新川さん。」
「はい?」



新川さんの笑顔には覚悟が見える。
やっぱり年の功かな、多分ばれてるだろう。



俺も覚悟決めるか。




「俺もあなたが好きです。」




END



新川さんが初餌食になった作品でした…。



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